RAG、AgentとLangChainの概念、違い、およびアプリケーションの詳細解説

  • 1495単語
  • 7分
  • 06 Sep, 2024

人工知能技術の進展に伴い、生成モデル、情報検索、および自動化ツールを活用して複雑な問題を解決する方法が研究の焦点となっています。この記事では、RAG(Retrieval-Augmented Generation)、Agent、LangChainの3つの重要な技術について詳細に説明し、実際のコード例を交えて、これらの技術を用いてインテリジェントな質問応答システムを構築する方法を示します。

RAGとは?

RAG(Retrieval-Augmented Generation) は、生成モデルと情報検索を組み合わせた技術です。そのワークフローは、まず検索モジュールを使用してユーザーの質問に関連する文書や情報源を見つけ、次に生成モデルがこれらの文書を組み合わせてより正確な回答を生成するというものです。

分かりやすい説明:

RAGを「賢い」質問応答アシスタントと考えてください。質問を投げると、それが関連する資料を探し出し、その資料に基づいて回答を生成します。RAGは、生成される回答が自然で流暢であるだけでなく、正確な外部情報を含むことを保証します。

適用シーン:

RAGは、外部知識のサポートが必要な質問応答システムやカスタマーサービスロボットなどに特に適しています。生成モデルが言語の流暢さを保ちながら、最新のデータに基づく正確な回答を提供できるようにします。

Agentとは?

Agent は、自主的に意思決定を行い、タスクを実行する知能体です。入力に応じて適切なツールや操作手順を選択し、複雑なタスクを完了するのを支援します。Agentは、データベースへのアクセスやAPIの呼び出しなど、さまざまなリソースを柔軟に動員できます。

分かりやすい説明:

Agentは「万能助手」のようなもので、タスクを与えると、現在の状況に応じて適切なツールや手順を選択してタスクを完了します。複雑なプロセスを自動化し、大量の時間と労力を節約できます。

適用シーン:

多くの自動化システムで、Agentはタスク管理、オートメーション取引、データ分析などの複雑な操作を実行できます。例えば、取引システム内のAgentは、リアルタイムの市場データに基づいて自動的に売買の決定を行うことができます。

LangChainとは?

LangChain は、開発者が生成モデルベースのアプリケーションをよりよく構築するのを助けるフレームワークです。言語モデルを外部データソース(APIやデータベースなど)と統合し、複雑なアプリケーションの開発プロセスを簡素化します。

分かりやすい説明:

LangChainは「開発ツールキット」のようなもので、生成モデルと外部システムの迅速な統合機能を提供します。これにより、複数ステップの質問応答システムや文書生成ツールなどの複雑なアプリケーションを簡単に構築できます。

適用シーン:

LangChainは、複数のステップと外部データ処理を必要とする複雑なシーンに適しています。例えば、データベースから動的に情報を照会し、正確な回答を生成できるチャットボットを構築する場合などです。

例:インテリジェントな質問応答システムの構築

次に、実際のインテリジェントな質問応答システムの例を通して、RAG、Agent、およびLangChainの使用方法を示します。このシステムは、ユーザーの質問に基づいて関連文書を検索し、生成モデルを使用してこれらの文書と組み合わせた回答を生成し、全体のプロセスをAgentが管理します。

実装手順:
  1. 関連文書の検索:システムはユーザーの質問に基づいて、Agentを使用して検索エンジンやデータベースから関連内容を検索します。
  2. 回答の生成:生成モデルを使用して検索した文書を組み合わせて、完全な回答を生成します。
  3. タスクの完了:AgentがLangChainを通じてプロセスを管理します。
コード実装:
Node.js + LangChainの使用
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const { OpenAI, SerpAPI } = require("langchain");
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// OpenAI生成モデルの初期化
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const model = new OpenAI({
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apiKey: "your-openai-api-key",
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});
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// SerpAPIを使用して情報を検索
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const search = new SerpAPI({
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apiKey: "your-serpapi-key",
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});
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// 質問を定義して検索を実行
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async function retrieveDocs(question) {
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const searchResults = await search.call(question);
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console.log("取得した文書: ", searchResults);
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return searchResults;
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}
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async function generateAnswer(question, documents) {
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const context = documents.map((doc) => doc.snippet).join("\n");
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const prompt = `Question: ${question}\n\nContext:\n${context}\n\nAnswer:`;
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const answer = await model.call(prompt);
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console.log("生成された回答: ", answer);
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return answer;
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}
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async function handleQuestion(question) {
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const documents = await retrieveDocs(question);
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const answer = await generateAnswer(question, documents);
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return answer;
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}
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// テストコード
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handleQuestion("What is RAG in AI?").then((answer) => {
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console.log("最終回答:", answer);
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});
Python + LangChainの使用

もし Python を使用することを好む場合、LangChain も対応しています:

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from langchain.llms import OpenAI
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from langchain.tools import SerpAPIWrapper
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# モデルの初期化
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llm = OpenAI(api_key="your-openai-api-key")
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# SerpAPI の初期化
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search = SerpAPIWrapper(api_key="your-serpapi-key")
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# ステップ 1: 文書を検索
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def retrieve_docs(question):
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search_results = search.run(question)
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print("取得した文書:", search_results)
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return search_results
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# ステップ 2: 回答を生成
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def generate_answer(question, documents):
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context = "\n".join([doc["snippet"] for doc in documents])
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prompt = f"Question: {question}\n\nContext:\n{context}\n\nAnswer:"
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answer = llm(prompt)
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print("生成された回答:", answer)
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return answer
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# ステップ 3: プロセスの管理
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def handle_question(question):
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docs = retrieve_docs(question)
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answer = generate_answer(question, docs)
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return answer
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# テストコード
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print(handle_question("What is RAG in AI?"))

まとめ

  • RAG:検索と生成を組み合わせ、回答の正確性と流暢さを保証します。
  • Agent:さまざまなツールを柔軟に調整し、複雑なタスクを自動的に完了します。
  • LangChain:生成モデルと外部システムの統合を簡素化するフレームワークを提供します。

これらの技術を活用することで、強力で柔軟なインテリジェントなシステムを構築し、ユーザーによりスマートなインタラクション体験を提供することができます。